美術大学進学プラン
経験豊富な美術講師の指導で美術大学への進学を実現
美術大学に進むために必要な力、それはそれぞれの専門性における基礎力、そして自分の世界を表現する独自性です。例えば、あるものを忠実にデッサンで表す力は、基礎力という部分においては必要な力です。しかし、それだけではそのデッサンを描いた「あなた」が見えてきません。作品から伝わる「あなたの世界観」「あなたらしさ」が必要です。美術大学進学プランではそこを追究していきます。
美術大学への出願者も以前と比べると増加傾向にあり、美大合格のためのノウハウというものも一般的に知られてきています。しかし、同じような準備をして入試に挑む学生が多くいることで、美術の本質とは真逆の画一的な学生の姿が見られようになってきたとも言われています。美術大学に入ることを目的にすることは間違いとは言い切れませんが、まずは、作品を通じて自分は何を伝えたいのか、という美術の本質に立ち返る必要があります。
美術大学が求める人材像は、変化の可能性を感じさせる留学生です。来日前に描いてきた母国の美術と日本の美術を融合させること、それはつまり新しいものを取り入れようとする姿勢そのものを示すことです。新しいものを創造する力が期待されています。
年々留学生にも高い日本語力が求められるようになってきました。出願者が単純に増えてきたこともありますし、入学後も日本人学生や教授とのコミュニケーションが求められるからです。TLSでは、全ての美術大学の出願基準を満たすことを目的に、学部希望者にはEJU日本語(読解・聴解・聴読解)240点以上、大学院希望者にはJLPTのN1合格を設定しています。各大学の入試のスケジュールを確認し、出願に間に合うタイミングで求められる試験結果を手元に用意できるようにしてください。
みなさんが学部志望であればデッサン、デザイン、水彩、油彩などの技術を見られる試験があります。それに加え、小論文、面接、ポートフォリオの提出が課される大学もあり、希望する学部学科に応じた準備が必要です。
一方、大学院は基本的な技術を持っていることが前提になるので、研究計画書、ポートフォリオの提出を前提に、面接や小論文で意欲と力を見られます。
ポートフォリオにせよ研究計画書にせよ、美術大学の入試においては、ありきたりのテーマ設定からどう脱却するのかが評価につながります。
東洋言語学院の進学PLANの中でも美術大学進学プランは準備内容も多岐にわたり、非常に特殊と言えます。そこで私たちは留学生の美術大学進学指導経験が豊かな”美学校”と提携し、日本語力の向上と美術力の向上を複合的に目指すカリキュラムを用意しています。
東洋言語学院が提携する美学校は、1969年の設立以来、美大予備校として確実な合格実績を誇ります。その美学校と共同開発したカリキュラムテーマは日本語と美術の融合です。美術大学と美術大学院、進路により分かれた二つのクラスでは、月曜日から金曜日まで美術の作品をテーマにした日本語の授業を受け、美術用語や美術読解の力を習得します。日本語の授業からも美術を、美術の授業からも日本語を学べる環境を提供し効率的・効果的な学習を促進しています。
毎年1月にスタートして12月までの1年間のプログラムです。デッサン・デザインは72回、論文・面接は33回のカリキュラムを作成しています。
美大クラス受講のためには別途費用がかかります。
美大クラス週間スケジュール | ||
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月曜日 | 美大日本語 | |
火曜日 | 美大日本語 | デッサン |
水曜日 | 美大日本語 | デザイン |
木曜日 | 美大日本語 | 論文・面接 |
金曜日 | 美大日本語 |
※受講人数によりデッサン・デザイン、論文・面接の曜日が変わることがあります。
デッサン・デザイン担当 鍋田 庸男
学生には向学心、好奇心を求めます。その上で大学やその先の社会において作品を通じてコミュニケーションが取れる人材になってほしい。グローバルな視点に立ってものごとを考え、ものづくりに携わる中で、リーダーシップを発揮した学生と、一芸術家としてつきあっていきたいと考えています。
美術大学進学までのスケジュールイメージ
進学を目指す年の前年1月には美術大学クラス、美術大学院クラスでの勉強が始められるように、しっかりとした日本語基礎力つけておく必要があります。目安はB1レベル(JLPT N3)程度です。それと並行して進める新作やポートフォリオの制作は、いつ始めても早すぎることはありません。志望校の情報を集め、自分ができるタイミングになったら手をつけてください。
美術大学への準備は一般の大学や大学院の準備に、美術作品の制作が加わります。そのため、入試までの準備は多忙を極めます。しかし、その分ちゃんと準備できた学生は評価され、結果が伴うものです。計画をしっかり立て、実践できる習慣を身につけていきます。
VOICE

Jessie Priscilla Taniady Zahra さん
インドネシア出身
2025年3月卒業
武蔵野美術大学 造形構想学部 クリエイティブイノベーション学科 進学
日本車が好きな父の影響で、日本でデザインの勉強をすると決めました。
日本に来て最初は何から始めたらいいかわからず不安でしたが、カウンセリングでMy Teacherと細かく計画を立てたことで、自分が何をするべきなのかはっきりしました。日本語の基礎を身に付けた後は、日本人が使用している教材と同じものを使って美術の知識を蓄えました。卒業生が受験や美大でのエピソードを聞かせてくれたことは、合格へのイメージを膨らませる最高の機会で、私も自信を持ってがんばることができました。